安全配慮義務と健康管理

事業主は労働者の関する安全配慮義務を求められています。「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。(労働契約法第5条)」 職場環境の整備や健康管理への配慮などは、事業主の労働者に対する義務となっています。

 

健康診断の義務

 労働安全衛生法では66条で使用者に対し健康診断を受けさせる旨を定めています。健康診断には一般健康診断と特殊健康診断に分かれますが、通常の会社であれば年一回以上、法定の健康診断項目に従った健康診断を受けさせることが求められています。

 

異常があった場合

 健康診断の結果、異常の所見がある場合には健康診断の結果が提出されてから、3か月以内に医師の意見を聞くことを求められています。また、2次健康診断の対象になる従業員には2次健康診断を受けるよう勧奨することが求められています。健康へ影響のある所見のまま、何もせず働かせることは好ましくないとされています。

 

労働環境改善への配慮

 健康診断の結果、医師の意見を求めたのち、現在の職務に耐えられないと判断される場合には、配置転換や労働時間の変更等の処置を行うことが求められます。病気を理由に解雇などは認められていません。働き続ける環境を整えていくことが事業主には求められます。

 

ストレスチェック

 2015年12月よりストレスチェックが50名以上の会社には義務付けられます。根拠法は労働安全衛生法になりますが、検査結果の取り扱いなどが変わります。これは特集2で紹介してします。

 

PointとTips 【社労士がいいたい!】

健康診断を受けさせていない会社がベンチャー企業に多く見られます。健康診断を受けさせないまま、病気に気づかず加重労働で従業員が倒れた場合、場合によっては労働災害認となってしまうことも容易に想像されます。社員は貴重な戦力です、社員の健康状態は必要に応じて正確に把握し、安全配慮義務を果たしていくことが経営者の責任といえるでしょう。

 

 次ページ 過重労働は脳疾患と心疾患を引き起こす

 

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