【融資カシコク利用社長インタビュー2】株式会社Piezo Sonic 代表取締役 多田興平さん

みなさんこんにちは!
だいぶ時間があいてしまいましたが、お元気でいらっしゃいますか?
今日は「融資カシコク利用社長インタビュー」の2回目、東京都の株式会社Piezo Sonic(ピエゾ ソニック) 多田興平(ただこうへい)社長にインタビューさせていただきました。

同社は、世界で作れる人が数人といわれる「超音波モータ」の設計および製造と、人と協働できる「自律走行ロボット」の開発を手がけています。

超音波モータ、私も知らなかったのですがこれは本当に凄い!
子供のころからロボットに憧れ続け、今まさにその夢の実現にむかってひた走る多田社長に、これからのビジョンをお伺いしました。
どうぞご覧ください!

株式会社 Piezo Sonic(ピエゾ ソニック)代表取締役 多田興平さん。
株式会社 Piezo Sonic(ピエゾ ソニック)代表取締役 多田興平さん。
コイル、磁石を使わない、軽量で高トルクな超音波モータ。10cm先で1.2kgのものが動かせる。
コイル、磁石を使わない、軽量で高トルクな超音波モータ。10cm先で1.2kgのものが動かせる。

世界で作れるのは数名!宇宙探査機に導入も期待される「超音波モータ」とは?

 Piezo Sonic(ピエゾ ソニック)の設立は2017年12月。世田谷にある多田社長の自宅の一室を法人登記してのスタートだったそうです。

しかしそこからたった2年のあいだに、大田区の管理する工業ビルに中央事業所を展開。

2018年9月に工学系の権威である精密工学会で「2018年度 モノづくり賞」を受賞、さらに2019年2月に大田区で主催したビジネスプランコンテストで「城南信用金庫賞」を獲得する快挙を達成して邁進中の同社。

多田社長はどんな自分史を歩んできたのでしょうか。

「子供のころからロボットが大好きで、ほとんどのロボットアニメを見て少年時代を過ごしました。
その頃からの夢が『人の役にたつロボットを作りたい』というもので、その後中央大学に進学、JAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同開発による
調査用ロボットアームを搭載した月面探査ロボット(探査ローバー)の研究をしてきました。
大学院修了後、宇宙仕様の超音波モータの共同研究をしていたメーカーに入社。超音波モータの生みの親であり、素晴らしいエンジニアであったその会社の社長様から技術を受け継ぐことができました。気がつけば足かけもう21年くらいこの世界でずっと研究を続けてきたのです。」

 

オフィスにはたくさんのロボットたちが展示。実際の関節の動きなどが参考になるらしい。
オフィスにはたくさんのロボットたちが展示。実際の関節の動きなどが参考になるらしい。


そんなすごい経験をサラリと語る多田社長ですが、まず印象に残ったのが
その「眼」。

「ロボットが好きで好きでたまらない」というのがヒシヒシと伝わってきますし、「人の役にたつロボット」を開発するという静かで強い信念と自信を感じます。
しかし、その超音波モータという製品、一体どんなものなのでしょうか?一般的なモータと何が違うんでしょうか?

「超音波モータは摩擦を利用して駆動するので、電源を切った状態では軸が動かず、確実に静止することができるので安全なのです。宇宙探査機では動くときは強力なトルクが必要ですし、かといって限られた電源しかないなかで電力を使わないで静止できるという高いハードルがあったのですが、それを超音波モータ
がクリアしてくれました。
また静音性も特徴で、現在では一眼レフのカメラや、手術室の記録用カメラなどにも超小型の超音波モータにも使われているんです。この設計から試作の開発までできるのは、おそらく世界でも弊社を含め3〜4社だけだと思いますが、それを少数精鋭で行いつつ、加工や組み立てなどは20以上のパートナー企業さんとの協業で行っているんです。
ありがたいことに、まだまだ小さな会社であるにも関わらず、大手から中小まで、さまざまな企業の方が『一緒にやりませんか?』とお声がけしてくれており、本当にやりがいを感じています。」

私も子供の頃ラジコンやロボットが大好きだったのですが、その「好き」を追求し続けた結果、本当にこうした発明を成し遂げてしまった多田社長のお話を聞き、まさに「思考は現実化する」という偉い人の言葉を思い出してしまいました。

そんな同社が超音波モータを使うプロジェクトとして注力しているのは「自律走行モビリティ」という、農業用に広大な畑を巡回して植物の調査や、商店や工場の物資の運搬などの車型ロボット。
ちょうどこの取材中、太田区が主催した高度技術・技能展 「第23回おおた工業フェア」にそのロボットが出展すると聞き、駆けつけました。

 

大田区内のさまざまなモノづくり企業が出展した「おおた工業フェア」。
大田区内のさまざまなモノづくり企業が出展した「おおた工業フェア」。

ロボット好きにはたまらない!自立走行モビリティのお目見え

「おおた工業フェア」は、製造業の多い大田区の企業が出展するコンベンション。
多数の会社が出展するなか、Piezo Sonic(ピエゾ ソニック)は「ものづくりベンチャー」のブース群の入り口に試作型の自律走行モビリティを設置、PCによる操作でデモ走行を行っていました。

 

このプロジェクトは、同社と大田区、そして中央大学理工学部がコラボして進めているもので、自律走行モビリティを大田区で利用する実証実験を計画しているとのこと。
大田区は、住宅街のなかにある町工場も多いので、道の狭い道路での運搬などに適しているうえに、凸凹の段差などをクリアできる走破性を備えたこのモビリティは、まさに宇宙探査機にも使われている技術の結晶なのですね。

会社のブースにも多数の人だかりができており、このプロジェクトへの期待の大きさを感じました。

ボディを搭載した完成イメージ。
ボディを搭載した完成イメージ。
農業のための土壌調査や成長観察用のアームをつけた試作モック。このように上部のユニットを組み替えることでさまざまな用途に対応が可能。
農業のための土壌調査や成長観察用のアームをつけた試作モック。このように上部のユニットを組み替えることでさまざまな用途に対応が可能。

融資獲得に絶妙なタイミングのアドバイス

Piezo Sonic(ピエゾ ソニック)は今回、首里社会保険労務士法人のアドバイスで、日本政策金融公庫から1800万円の融資を獲得することに成功、その他にも某信金からも融資を獲得して、さらなる事業展開を計画しているそうです。

「助成金の活用については以前から聞いていたので、助成金や融資に強そうな首里社会保険労務士法人の説明会に参加しました。

そこで『銀行口座があるだけで、銀行のお客さんであるとは思ってはいけません』というコメントを聞いて『ああ、こういうビジネス感覚の方ならお話ができそうだな』と相談することにしましたが、中島社労士が偶然にも高校の先輩だったということが判明し驚きました(笑)
中島先生は営業的なケアというか、フッとした時にいただける電話が絶妙なんです。
今回公庫以外の信金からの融資についても中島先生のちょっとしたアドバイスがきっかけでしたから。」

社労士になる前は、一般企業で営業畑をずっと歩いてきた中島の経験が活かされたという嬉しいコメント。
また、中島が高校の先輩だったというラッキーな偶然も大きいかもしれませんね(笑)

研究開発は多様なニーズに対応するため、大口の融資が獲得できるという実績はとても重要だと感じました。

日本のモノづくりにとても希望を感じた今回の取材、最後に多田社長にこれからの展望をお聞きしました。

「会社を設立したころのミッションでもある『人の役に立つロボット』をたくさん生みだしていきたいですね。具体的には医療メーカーさんとの共同開発による介助ロボットや、農企業さんとの畑の土壌や植物の生育調査ロボットや、半導体製造装置などのプロジェクトになります。
このようにいろいろな業界の企業さんとのコラボレーションを通じて、少しずつ評価をいただきながら成長していきたいと思っています。」とのこと。

将来同社の開発した超音波モータで動くロボットが、日本国内だけでなく、世界、いや宇宙にむけて飛び立つ日がくるでしょう。
多田社長、ありがとうございました!これからますますのご活躍をお祈りいたします!

株式会社Piezo Sonic(ピエゾ ソニック)オフィシャルサイト
超音波モータ事業部門 https://www.piezo-sonic.com/
ロボット事業部門 https://piezo-sonic.co.jp/

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